ダイエットをする人の中に、1か月や2か月という短期間で相当な成果を出そうとする人がいます。
その方法は?
また、そんなことが本当にできるのか?
答えは【可能】ですが、大きなデメリットもあります。
以下、この点について可能な理由、また目的別に3つのダイエット方法をお話していきます。
体重計の数値を最短で減らしたい場合
階級別に体重制限のあるスポーツ選手は、場合によっては急激に体重を落とす必要に迫られます。
その場合は、とにかく期日までに指定の体重以下にすることが目的になります。
最短で体重を変動させる方法としては、
【体内の水分量を中心に減らす】
という方法があります。
簡単に説明すると、米やパン、芋などの炭水化物は体内で水分を含んで質量が増えます。
したがって、炭水化物を食べなければ、体内に貯えられる水分量が減り、その分体重が軽くなるという考え方です。
食事の目安としては、最低限活動できる限界として男性で1500kcal、女性で1000kcal。
それも炭水化物をできるだけ食べない、たんぱく質中心という制限付きです。
ボクシングの選手などは、これに加えて計量数日前から舐める程度しか水分を摂らなくなることもあります。
そして、汗を大量にかくような有酸素運動をしています。
栄養も水分も摂らないので、いくら筋トレをしようとも筋肉や脂肪も落ちていきます。
人によっては1か月で体重の10%近く減らすことも可能でしょう。
したがって、表題に対する答えについてはこの方法が最適ということになります。
ただ、この方法は短期間で急激に減量できることと引き換えに
- 体調を崩すおそれがある
- 筋肉量も減ってしまう
- リバウンドしやすい
- 精神的につらい
という大きなデメリットがあるので、一般の方へは到底おすすめできません。
体脂肪率だけを減らしたい場合
体重を変えずに体脂肪率だけを落としたい場合は、日常的な筋トレが必須になります。
体重計の数値こそ変化はありませんが、筋肉がつくと同時に無駄なぜい肉がなくなるので、健康的で引き締まった身体へと変化していきます。
食事に関しては
- たんぱく質を1日に体重×1.5gから2kg以上が目標
- 炭水化物をパンから米食中心に変える
- 甘いお菓子と揚げ物を控える
- 男性は1日2700kcal、女性は1日2000kcal程度(年齢20歳から50歳、平均体重が目安)を基準に食事をとる
ということを意識します。
低脂質ダイエットといわれる食事法は、この方法で炭水化物の量を減らすだけになります。
したがってカロリーについては、1日の活動量にあわせて炭水化物の量で微調整するとよいでしょう。
また、1日の食事回数を4回以上に小分けにすることでたんぱく質の吸収効果が高まり、また炭水化物の摂取による血糖値の上下が穏やかになるので、空腹感を感じにくくなります。
パンを控える理由は、米に比べて食物繊維が少なく脂質が多く含まれることと、この血糖値の上下が激しい食品であるからです。
長期的に体重管理を実践するなら、この食事方法は健康的であり、最もおすすめできます。
しかし、「日常的にパンをどうしても食べたい」ということもあるでしょう。
そんな方向けに、今は体重管理に適したパンもあるので紹介しておきます。
体重を落としたいが筋肉量を減らしたくない場合
体重はしっかり落としたいけど、筋肉はできるだけ落としたくない場合もあるでしょう。
この場合も、筋トレを日常的にする必要があります。
そして食事については、低脂質よりもケトジェニック食がおすすめです。
ケトジェニック食とは、本来であれば炭水化物をエネルギー源にするところを脂質をエネルギー源に変換させる食事法になります。
具体的には、米やパンななどの主食は一切食べず、大根などの根菜に含まれる糖質すら摂れません。
調味料も味噌やソース、ドレッシングは糖質が多く含まれているので食べられません。
その代わり、牛ステーキやチーズ、バターなど、普通のダイエットでは食べられない脂質を中心に食べられます。
この時の栄養素のバランスは、
脂質:たんぱく質:炭水化物=6:3:1
を心がけてください。
すると、1週間、2週間と経てば、するするとおもしろいくらいに体重が落ちていくようになります。
その際、エネルギーの変換モードが完全にケトジェニックに対応しているという実感が持てるでしょう。
もちろんカロリー計算は必要で、低脂質ダイエット時と同程度に、男性は1日2700kcal、女性は1日2000kcal未満を目安にしましょう。
「高カロリーの脂ものばかり食べると、すぐにカロリーオーバーしてしまうのでは?」
という疑問があるかもしれません。
しかし、この食事法の良いところは、
- 自分が思うよりも早く満腹になってしまい、量が食べられなくなる
- 腹持ちが良く、次の食事まで空腹感が出にくい
という点です。
そして、何より最も大きなメリットは、
筋肉量をできるだけ落とさずに一気に体重が落ちる
ということに尽きるでしょう。
そのほか、難点もいくつかあります。
- 身体が脂質燃焼モードに切り替わるのに数日かかる
- チートデイ(息抜きの日)を設けることができない
- 元の食事に戻すと水分が身体に戻る分、体重がリバウンドする
- 油物が苦手な方には不向き
- 栄養素(カロリー)の計算が面倒
- 食費がかかる
- 便秘対策に毎日大量の水を飲む必要がある
- 外食しにくい
というものです。
ダイエット効果と引き換えに難易度が高いので、あまり一般的ではないかもしれません。
そして、家族と同居されている方は、自分だけ食事を別に用意する必要があるので、料理の習慣が無かった人は、ある程度自炊できるようになってから実践する方が良さそうです。
まとめ
冒頭に結論を述べましたが、1か月以内に数kg体重を落とすことは十分に可能です。
ただ、短期的に体重を落とせるということは、健康リスクとともにすぐに体重が戻ることも考えておかなければなりません。
その反面、減量について特に急ぐ理由が無く、健康的に痩せることを目的とするならば、じっくりと腰を据えて長期的に取り組んだ方が、結果的に成功する可能性は高くなります。
そうすれば、筋肉を落とさずに、リバウンドするリスクを抑えながら精神的にも無理なくダイエットすることができます。
それぞれの目的に合わせて、最適な方法を選ばれると良いかと思います。
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